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2023.12.26 07:00ゴー宣道場

前略・奈良の道の上より

皆さま、おはようございます。奈良市在住、ゴー宣ジャーナリストの だふね です。

さて、去年の7月8日に奈良で重大な出来事が起こったこと、覚えておられるでしょうか。
安倍晋三元首相の銃撃事件です。場所は、近鉄大和西大寺駅。京都や橿原方面行きなど路線が集中したターミナル駅です。乗り降りする人が多く、周辺の道路は車が混みやすい。(私もここはできれば車で通りたくない( ̄▽ ̄;))

参院選の自民党候補者の応援で、安倍氏が奈良に入ることは前日に急遽決まったこと。駅北口を降りてすぐの、ガードレールに囲まれた安全地帯。安倍氏はその中で関係者を伴い演説を開始。周囲が360度ひらけていた中、安倍氏は銀行やショッピングセンターの前に集まった聴衆の方を向いていました。

事件の直前から直後にかけての、安倍氏や周りの人物、そして犯人の動きは、こちらでわかりやすく解説されています。
【安倍元首相】銃撃までの2分26秒 映像で見えた「警備の穴」
https://www.youtube.com/watch?v=QQjmuRGqbzg

警備体制は安倍氏の前方に集中しており、後方については呆れるほど手薄。(何せ人や車がガードレールのすぐ脇を通り抜けられたのだから。)犯人は、ガードレール内の関係者の一人が安倍氏から離れた一瞬の隙をついて、後ろから近寄り、目的を遂げました。他の人間が巻き込まれなかったことは、不幸中の幸いだったと言えるでしょう。

それから数か月後の12月下旬のある日、私は翌年3月に奈良での開催を控えていた「第110回ゴー宣道場」に向けて取材。平城駅から大和西大寺駅の間のエリアを歩いて移動していました。
夕刻、銃撃現場にも足を伸ばす。ガードレールは既に撤去され、パイプでこしらえた仮設のバリケードが置かれていました。パイプの外側でたむろしていた4人の男性の話し声が、耳に入ってくる。「安倍さん、なんでこんなところで(演説)やったんだろうねぇ…?」と。

大和西大寺駅周辺は、事件前から広場や道路が整備工事されていました。現場の保存や慰霊碑の設置を希望する声も全国から寄せられましたが(ワタシ的には、よけい不便になるし迷惑…いや、何でもありません)、最終的には仲川市長が地元住民の否定意見を重んじる形で工事続行。しかし、
「元首相が倒れられた地点のアスファルトを、単なる産廃として処分されることは容認できない」
「その地点のアスファルトの一部をわが会派にお譲りいただきたい」
と要求した市議がいたとか!(@_@;) いい大人が、いくらナンでも。劇画の世界ですか。市長もさぞ驚いたことでしょう。安倍氏の生前から、このような(半ばイタイ)心酔が許される雰囲気があったのかナァ…。
今年3月31日には、ガードレールがあった場所も含めて工事が完了。今や事件を想起させる物は跡形もなくなり、歩道も拡張されて綺麗に整えられています。


12月17日 駅前のショッピングセンター5階から撮影
黄色は整備前のガードレールの位置(ざっとですが(^^;)

 

話は変わりますが、先日、平城宮跡資料館の特別展【女帝のいのり】に行ってまいりました。


展示期間は来年2月12日(月)まで

称徳天皇の勅願時(天皇・上皇の発願により、国家鎮護・皇室繁栄などを祈願して創建された寺のこと)である西大寺と西隆寺(さいりゅうじ)は、平城京を挟んで東大寺と対をなすように鎮座していました。しかし、西大寺は寺院の痕跡が残っておらず(興福寺や薬師寺よりも規模が大きかったとされるが)、西隆寺は既に廃絶して存在しません。

昭和30年代から60年代の市街地開発に伴い、旧境内の発掘調査が100回にわたって実施されましたが、建造物の配置や様相などが明らかになるだけでなく、かずかずの貴重な遺物(木簡、土器、陶器、瓦など)も出土されました。特別展では、その一部が展示中です。
いや、実は素人(私)には遺跡発掘の奥深さ、すぐにわからないのですが(;^_^A 奈良時代の天皇の業績、スケールの大きさを少なからず感じます。しかも、女帝ですよ。

称徳天皇は、後継者を決めることができないまま崩御しました。子を成せず、このままでは自分の代で、天武・持統天皇から直系で続いてきた血を途絶えさせてしまう。もし、そう心を痛めていたのだとすれば…。女帝の重圧、焦燥や孤独は如何ばかりだったでしょうか。
そして、現代においては、皇統の危機をいたずらに放置し、必死で問題解決を先延ばしにする人たちがいます。女帝は彼らのことを、どのような思いで眺めているでしょうか。

ちなみに、安倍氏の銃撃現場は、神功皇后と称徳天皇、2人の女帝の陵墓から、歩いてすぐに行ける距離にあるのです。(不謹慎かもしれませんが)興味深い事実ではあります。

先述の安倍氏の慰霊碑ですが、結局、現場から5キロ離れた霊園に設置されました。女帝たちが眠る地で、碑に「不動心」の文字を刻まれた安倍氏の魂は、今、安らかでしょうか。

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今年は3月の「ゴー宣道場in奈良」を初め、次々に公論イベントが成功。今後ますますの進化(深化)が予測される一年で、個人的にとても充実していました。皆さま、ありがとうございます。
引き続き、来年も何卒よろしくお願いいたします。
奇しくも本日12月26日は私の誕生日。さぁ、50代も駆け抜けるぞ~

 

【だふね プロフィール】
昭和48年大阪生まれ。奈良市在住。主婦にして一男二女の母。ケアマネージャー。性格は‟慎重な行動派”‟陽気なペシミスト”(友人評)。趣味は映画鑑賞。コロナ禍が始まると同時に「関西ゴー宣道場設営隊(現・公論サポーター関西支部)」隊長就任。以後、現場を持ちながら公論イベントの盛り上げにも尽力。公私ともに濃密な日々を過ごしている。

 


 

 

【トッキーコメント】
ゴー宣読者であれば、おそらくこのコマを思い浮かべたことだろうと思います。

(『ウクライナ戦争論2』P50)

この地に安倍氏の慰霊碑が建てられて、果たして本当に安倍氏の霊は慰められるのでしょうか?
安倍氏の魂は、安らかであるでしょうか?
私としては、安らか「ではない」ことを祈りたくなってしまいます。

 

 

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